はじめに

以前の記事「【体験記】ChatGPT Plusで使えるOpen AI Codex CLIを、開発途中のアプリに導入してみた」では、初めてCodex CLIを触ったときの体験を書きました。あれからバージョンが進み、v0.27時点では開発の相棒としてさらに頼もしくなっています。

この記事では、v0.22からv0.27までのアップデートの中から、アプリ開発を進めるうえで特に便利だと感じた3つの機能を中心にまとめます。
短期間で様々な機能が導入されていることから開発が活発なことが伺えます。今後のアップデートにも期待できますね!
最新のCodex cliのRelease情報については公式の情報を参照ください。
Codex CLIの進化ざっくりまとめ

- v0.24以降で大きな機能追加(Web検索、画像貼り付け、共通プロンプト管理など)
- v0.25〜0.26で安定性や操作性が改善
- v0.27で最新版として安定稼働
細かい改善も数多くありますが、ここでは実務で役立つ部分に絞って紹介します。
開発者に嬉しい進化ベスト3

Web検索が統合
以前はローカル情報だけで回答する仕組みだったため、最新ライブラリやAPIの仕様には弱点がありました。v0.24からはWeb検索を組み合わせられるようになり、エラーメッセージや新しい技術情報も即座に調査できるようになっています。
設定もシンプルで、config.toml
に以下を追記するだけです。後ほど、私の実際の設定例をお見せします。
[tools]
web_search = true
上記設定を入れておくことでcodex cli起動時に毎回 --search
オプションをつけなくても自動的に検索が有効になります。ただし、検索クエリが外部に出ると思われるので社内コードや守秘性のあるキーワードを混ぜないように注意しましょう。
最新の正しい情報を取り込めるのは大きな価値です。特に枯れていない技術を取り入れるときに、この機能が真価を発揮すると感じています。
スクリーンショットを貼り付け可能に
GUIアプリやWeb UIの開発では、文字だけでは伝えにくい問題も多いですよね。v0.24で画像ペースト/ドラッグ&ドロップに対応し、v0.26では「View Image」ツールが追加されました。これにより、スクショをそのままAIに渡して解析・相談できるようになりました。私はこの機能を待ち望んでいました。
私の環境(Mac)で試したところ:
ctrl + shift + command + 4
でスクショを撮り、そのままCtrl+V → 貼り付け不可- スクショを直接貼り付けられると最高なので、今後の改善に期待しています
- 一度メモアプリなどに貼り付けてからコピーした場合 → Ctrl+Vで貼り付け可能
- ローカルやwebで検索した画像をコピーした場合 → Ctrl+Vで貼り付け可能
実際に開発中のWebシステムの画面を見せて改善点を相談したところ、なかなか良い提案をもらえました。コードレビューだけでなくUI改善まで相談できるのは、従来のCLIツールでは考えられなかった進化だと思います。
共通プロンプト管理(~/.codex/prompts
)
プロジェクト全体で共通のルールや指示を使えるようにする仕組みが追加されました。~/.codex/prompts
にプロンプトを保存しておくと、チーム全体で呼び出して活用できます。
私自身はまだ保存しているものはありません。ただ、チーム開発を想定するとこの仕組みはかなり便利だと感じます。例えば、一人の有識者がプロンプトを設定・更新しておけば、他のメンバーはその恩恵を受けられます。つまり、全員がプロンプトエンジニアリングを習得していなくても、チーム全体として高い生産性を保てるわけです。
例えば保存しておくと便利そうなプロンプト:
- コーディング規約(変数はcamelCase、関数はdocstring必須など)
- レビュー観点(セキュリティチェック必須、SQLインジェクション確認など)
- 開発スタイル(テストファースト、React Hooks優先など)
私のおすすめ設定(そのままコピペOK)

開発に集中するために使っている config.toml
を紹介します。みなさまもそのまま試せますし、お好みに合わせてカスタマイズしてもOKです。
# ~/.codex/config.toml
# ------------------------------------------------------------
# Codex CLI 基本設定(共通)
# ------------------------------------------------------------
# 既定モデル(必要に応じて変更可)
model = "gpt-5"
# 既定で使うプロファイル(起動時に --profile 未指定ならこれが有効)
#profile = "thinking"
profile = "no-thinking"
# クリックでエディタを開くリンクの既定
file_opener = "vscode"
# AGENTS.md の取り込み上限(必要なら調整)
#project_doc_max_bytes = 32768
# 履歴の保存(ZDR 組織なら true に)
disable_response_storage = false
# web search設定
[tools]
web_search = true # Web検索を常時有効化
# ------------------------------------------------------------
# プロファイル定義
# - thinking : thinking を表示
# - no-thinking : thinking を完全に隠す
# ------------------------------------------------------------
[profiles.thinking]
hide_agent_reasoning = false
model_reasoning_summary = "detailed" # thinking をリッチに表示
# 必要なら冗長さも調整可(Responses API 対象モデルのみ)
# model_verbosity = "medium" # "low" / "medium" / "high"
[profiles.no-thinking]
hide_agent_reasoning = true
model_reasoning_summary = "auto"
# model_verbosity = "medium"
この設定のポイントは以下の通りです。
- no-thinkingプロファイルで出力をシンプルに
- こちらの修正でChain of Thought非表示がデフォルトになったようです
- Web検索は常時ON
まとめ

codex-cliは v0.22からv0.27で大きく進化しました。
開発者にとって特にありがたいのは:
- Web検索で最新情報を取り込める
- スクショを活用してGUIバグやUI改善を相談できる
- 共通プロンプトでチーム開発が効率化する
私にとってCodex CLIは、「ChatGPT(チャット形式)の手軽さ+CLIの使いやすさ」にかなり近づいた存在です。遊び道具の域を超えて、実務の相棒として頼れるようになってきました。