【保存版】AWS経験者向け Google Cloud サービス対応表〈2025 年版〉

目次

はじめに

AWS を使いこなすエンジニアの皆さん――「Google Cloud も気になるけれど、サービス名が多過ぎて取っ付きにくい…」と感じたことはありませんか? 安心してください。AWS 経験は Google Cloud を学ぶ上で最強の武器 になります。

本記事では、主要サービスを カテゴリー別のマッピング表 で一望できるよう整理しました。
筆者自身、AWS SAP 取得後にこの方法で学習を進めて Google Cloud プロフェッショナル全資格 を制覇しています。あなたの Google Cloud 学習を加速させる一助となれば幸いです。

本記事は 2025 年 5 月時点の情報に基づいています。最新のアップデートは必ず公式サイトでご確認ください。

なぜAWSとGoogle Cloudのサービス比較が有効なのか?

異なるように見えるAWSとGoogle Cloudですが、クラウドコンピューティングの基本的な考え方や提供されるサービスのカテゴリーには、多くの共通点があります。

クラウドの基本的な考え方は共通

仮想サーバー・オブジェクトストレージ・RDB・ロードバランサー・DNS…。クラウドを構成するコンポーネントは、主要プロバイダー間で大きく変わりません。AWS で概念を把握していれば Google Cloud の“本質”もつかみやすいというわけです。

アナロジー学習で定着率アップ

人は既知の概念に“紐付け”ることで新情報を効率よく吸収できます。
AWS のサービス名を 既知の言葉、Google Cloud のサービス名を 新しい言葉 とみなし、双方向に “翻訳” すれば、Google Cloud の役割を直感的に理解できます。

【カテゴリー別】AWS 対 Google Cloud 主要サービスマッピング表

それでは、ここからはAWSの主要サービスと、それに対応するGoogle Cloudのサービスをカテゴリー別に整理したマッピング表をご紹介します。
各サービス名の横には、簡単な説明や、比較した際のポイントなども記載していますので、参考にしてください。

文章量が多いのでキーワードで検索して探していただくのがおすすめです。

注意点

このマッピングは、あくまで「AWSのあのサービスに似た機能を持つGoogle Cloudのサービスはこれ」という理解を助けるためのものです。
完全に1対1で機能が一致するわけではなく、それぞれのプラットフォームの得意分野、細かな機能差が存在します。
詳細な比較検討は、各サービスの公式ドキュメントを参照してください。

コンピューティング

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud)Compute Engine仮想サーバー(VM)インスタンスタイプ、料金体系、カスタムマシンタイプなどに違い。
AWS LambdaCloud Functionsサーバーレスコンピューティング(FaaS)対応ランタイム、イベントトリガーの種類、実行時間制限などに違い。Google Cloudは第2世代で機能強化。
Amazon ECS / EKS (Elastic Container/Kubernetes Service)Google Kubernetes Engine (GKE) / Cloud Runコンテナオーケストレーション / サーバーレスコンテナ実行GKEはKubernetesのマネージドサービスとして評価が高い。Cloud Runはフルマネージドでより手軽なコンテナ実行環境。
AWS Elastic BeanstalkApp Engine / Cloud RunPaaS (Platform as a Service)App EngineはStandard/Flexible環境があり、よりフルマネージド。Cloud Runはコンテナベースで柔軟性が高い。

ストレージ

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon S3 (Simple Storage Service) / Amazon S3 GlacierCloud Storageオブジェクトストレージストレージクラス(Google CloudはStandard, Nearline, Coldline, Archive)、料金、リージョン間のレプリケーション機能などに違い。
Amazon EBS (Elastic Block Store)Persistent Diskブロックストレージ(VM用ディスク)パフォーマンスオプション(IOPS、スループット)、スナップショット機能、暗号化などに違い。Google Cloudはゾーン永続ディスク、リージョン永続ディスクがある。
Amazon EFS (Elastic File System)FilestoreフルマネージドNFSファイルストレージパフォーマンス階層、料金体系などに違い。

データベース

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon RDS (Relational Database Service)Cloud SQL / AlloyDB for PostgreSQL / Spannerマネージドリレーショナルデータベース対応DBエンジン、可用性、スケーラビリティ、料金に違い。Cloud SQLはMySQL, PostgreSQL, SQL Server。AlloyDBはPostgreSQL互換で高性能。Spannerはグローバル分散DB。
Amazon DynamoDBFirestore / Cloud BigtableNoSQLデータベース(ドキュメント/キーバリュー)Firestoreはモバイル/Webアプリ向けドキュメントDB。Bigtableは大規模な分析・運用ワークロード向けワイドカラムストア。データモデル、整合性モデルが異なる。
Amazon ElastiCacheMemorystoreインメモリキャッシュ(Redis/Memcached)対応エンジン、クラスタリング機能、料金体系などに違い。
Amazon RedshiftBigQueryデータウェアハウスアーキテクチャ(Redshiftはクラスターベース、BigQueryはサーバーレス)、クエリ言語、料金体系、スケーラビリティに大きな違い。BigQueryは非常に強力。

ネットワーキング

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon VPC (Virtual Private Cloud)Virtual Private Cloud (VPC)仮想プライベートクラウドGoogle CloudのVPCはデフォルトでグローバルリソース。サブネットはリージョナル。AWSのVPCはリージョナル。ルーティング、ファイアウォールルール設定の考え方も異なる。
Amazon Route 53Cloud DNSDNSサービス機能セット(プライベートゾーン、DNSSECなど)、料金体系、レイテンシなどに違い。
Elastic Load Balancing (ALB/NLB/GLB/CLB)Cloud Load BalancingロードバランサーGoogle CloudのCloud Load BalancingはグローバルLBが特徴的で、バックエンドの種類も豊富。レイヤー(L7/L4)、内部/外部など。
Amazon API GatewayAPI Gateway / ApigeeAPI管理API GatewayはサーバーレスAPI向け。Apigeeはより高度なAPI管理プラットフォーム(エンタープライズ向け)。

セキュリティ

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
AWS WAF (Web Application Firewall)Cloud ArmorWebアプリケーションファイアウォール(SQLインジェクション、XSSなどの攻撃からの保護)L7ファイアウォールとしての基本機能は共通。Cloud ArmorはCloud Load Balancingと連携。AWS WAFはCloudFrontやALBなどと連携。
AWS ShieldCloud Armor (DDoS Protection)DDoS攻撃からの保護AWS Shield Standardは無料で基本的な保護を提供、Advancedは有償でより高度な保護。Cloud ArmorもStandard TierとCloud Armor Enterpriseがあり、DDoS対策機能を含む。
Amazon GuardDutySecurity Command Centerマネージドな脅威検出サービス(悪意のあるアクティビティや不正な動作を監視)機械学習を活用した脅威検出というアプローチは共通。GuardDutyはAWSアカウントとワークロードを保護。Security Command CenterはGoogle Cloud全体のセキュリティとリスクの可視化・管理プラットフォームであり、その中で脅威検出機能を提供。
AWS Security HubSecurity Command Centerセキュリティ状況の一元的な可視化、コンプライアンスチェック、アラート集約両者とも複数のセキュリティサービスからの検出結果を集約し、セキュリティ体制を評価・管理するダッシュボード機能を提供。コンプライアンス標準への対応状況チェックも可能。
Amazon InspectorSecurity Command Center仮想マシンやコンテナイメージの脆弱性スキャンInspectorはEC2インスタンスやコンテナイメージの脆弱性を評価。Security Command CenterもVM ManagerやContainer Analysisと連携して脆弱性スキャン機能を提供。

データ分析・機械学習

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon EMR (Elastic MapReduce)DataprocマネージドなApache SparkおよびHadoopクラスターSpark、Hadoop、Hive、Prestoなどのオープンソースフレームワークを実行できる点は共通。
Amazon Kinesis (Data Streams, Data Firehose, Data Analytics)Pub/Sub / Dataflow / BigQuery (Streaming)リアルタイムストリーミングデータの収集、処理、分析Kinesisは複数のサービスで構成。Pub/Subはスケーラブルなメッセージングサービス。DataflowはApache Beamベースのストリームおよびバッチデータ処理サービス。BigQueryはストリーミングインジェストとリアルタイム分析に対応。
Amazon SageMakerVertex AI機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイのための統合プラットフォームいずれもMLワークフロー全体をカバーする包括的なプラットフォーム。Vertex AIはGoogleの強力なAI研究とインフラを背景に持つ。
Amazon AthenaBigQueryS3などのデータストア上のデータに対して直接SQLクエリを実行できるサーバーレスクエリサービスAthenaはS3上のデータをクエリ。BigQueryもCloud Storage上のデータを外部テーブルとして定義したり、他のデータベースにクエリを実行する機能を持つ。

運用管理・モニタリング

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AWSサービス名Google Cloudサービス名簡単な説明/主な用途比較ポイント/注意点
Amazon CloudWatchCloud Monitoringクラウドリソースとアプリケーションのモニタリング、ロギング、アラート、イベント管理提供されるメトリクスの種類、ログの検索・分析機能、アラート設定の柔軟性、ダッシュボードのカスタマイズ性、料金体系に違い。
AWS CloudFormationTerraform / Deployment Manager(2025/12/31にサポート終了)Infrastructure as Code (IaC) サービス(インフラ構成をコードで管理・デプロイ)Terraformは両プラットフォームおよび他の多くのプロバイダーに対応するオープンソースのIaCツールであり、マルチクラウド環境ではTerraformが選択されることも多い。
AWS Systems ManagerVM ManagerEC2インスタンスやオンプレミスサーバーの運用管理(パッチ適用、設定管理、インベントリ収集など)Systems Managerは非常に多機能な運用管理ハブ。Google Cloudでは、VM ManagerがOSパッチ管理やインベントリ管理を提供。
AWS ConfigSecurity Health Analytics (Security Command Center内)AWSリソースの設定変更履歴の追跡、設定内容の評価、コンプライアンス監査AWS Configはリソースの設定を継続的に記録・評価。Google CloudではSecurity Health Analytics (Security Command Centerの一部) がリソースの設定を評価し、セキュリティ上の問題を検出する。

AWS経験者がGoogle Cloudを学ぶ上での「落とし穴」と「コツ」

AWSとGoogle Cloudのサービスを単純に名前で対応付けるだけでは、時として理解の妨げになることもあります。
ここでは、AWS経験者がGoogle Cloudを学ぶ際に注意すべき「落とし穴」と、学習をスムーズに進めるための「コツ」をいくつかご紹介します。

単なる名称一致だけでは不十分なケース

例えば、AWSのVPCとGoogle CloudのVPCは、どちらも仮想プライベートネットワークを提供するという点では同じですが、その設計思想には大きな違いがあります。AWSのVPCはリージョン単位のリソースですが、Google CloudのVPCはグローバルリソースです。
このように、サービス名は似ていても、アーキテクチャや基本的な考え方が異なる場合があるため、「AWSの〇〇と全く同じ」と思い込まず、それぞれのドキュメントでしっかりと概念を理解することが重要です。

Google Cloud独自の強みや特徴を知る

AWSの知識を活かすことは大切ですが、同時にGoogle Cloudならではの強みや特徴的なサービスにも目を向けることで、より深くGoogle Cloudを理解できます。
例えば、サーバーレスなデータウェアハウスであるBigQueryの分析能力の高さ、Google Kubernetes Engine (GKE) の運用性の高さ、グローバルに展開された高性能なネットワークなどは、Google Cloudの大きな魅力です。

学習を加速させるためのコツ

  • ハンズオンで実際に触ってみる
    • Google Cloud Skills Boost などのハンズオンラボを活用し、実際にGoogle Cloudのサービスを操作してみることで、理解が格段に深まります。無料利用枠も積極的に活用しましょう。
  • AWSとの違いを意識的に整理する
    • 学習中に「これはAWSの〇〇とどう違うんだろう?」と常に比較する視点を持つことで、両プラットフォームの理解が深まります。
  • 公式ドキュメントを徹底活用する
    • Google Cloudの公式ドキュメントは非常に充実しており、サービス概要からチュートリアル、ベストプラクティスまで網羅されています。不明な点はまず公式ドキュメントを参照する習慣をつけましょう。

まとめ:AWSの経験を翼に、Google Cloudの世界へ!

今回は、AWS経験者の皆さんがGoogle Cloudを効率的に学ぶための「サービスマッピング」というアプローチと、具体的な比較表をご紹介しました。

重要なポイントは以下の通りです。

  • クラウドの基本的な考え方はAWSもGoogle Cloudも共通点が多い。
  • AWSの知識は、Google Cloudサービスを理解するための強力なアナロジーとなる。
    • ただし、サービス名が似ていても機能や思想が異なる場合があるので注意が必要。
  • Google Cloud独自の強みや特徴も理解することで、より深く学習できる。

AWSで培った豊富な経験は、Google Cloudという新しい世界へ羽ばたくための大きな翼となります。
この記事が、あなたが自信を持ってGoogle Cloud学習の第一歩を踏み出し、スキルアップやキャリアの可能性を広げるための一助となれば幸いです。

ぜひ、このマッピング表を片手に、Google Cloudの世界を探求してみてください!

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