はじめに:その勉強法、自分に合っていますか?

「資格を取りたいけど、仕事が忙しくて勉強時間が確保できない…」 「参考書を読んでも、なかなか頭に入ってこない…」 「ハンズオンをやっているけど、試験範囲が広すぎて終わらない…」
ITエンジニアとしてスキルアップを目指す中で、あなたもこのような悩みにぶつかったことがあるのではないでしょうか。
私自身、最初はGoogle Cloud Skills Boostで実際にサービスを触ることから始めましたが、試験合格という目標に対しては、より効果的なアプローチがあることに気づきました。 最終的にたどり着いたのが、「問題集」を起点とした、再現性の高い実践的な勉強法です。
この記事でわかること
- 合格から逆算する「4週間・週末集中」の学習計画の立て方
- 「わからないことの洗い出し」を最速で行う、問題集の具体的な使い方
- 集中力を維持するための愛用ツールと、モチベーション管理術
この方法は、私がGoogle Cloudの資格だけでなく、数々の試験を乗り越える上で体系化してきたものです。この記事が、あなたの資格学習のヒントになれば幸いです。
私の勉強法の考え方:なぜ問題集から始めるのか?

私の勉強法の核心は非常にシンプルです。それは「問題集を解くこと=自分の知らないことを洗い出す作業」と捉えることです。
ハンズオンから問題集へ
もちろん、実務でサービスを深く理解するには、ハンズオンが最も有効な手段です。しかし、「試験合格」という明確なゴールがある場合、話は別です。広大なGoogle Cloudの世界をすべて触ってから試験に臨むのは、時間がかかりすぎると私は感じました。 合格への最短距離は、まず敵(試験問題)を知ることです。
問題集は「知らないこと」を教えてくれる最高のツール
多くの人は、ある程度勉強してから問題集で力試しをします。私は逆です。 最初に問題集を解くことで、「自分が何を知らないのか」「どの分野の知識が足りないのか」を効率的に可視化します。この「弱点の早期発見」こそが、その後の学習をピンポイントで効果的なものにするのです。
【計画編】合格から逆算する4週間の学習プラン

なぜ「4〜5週間」なのか?短期決戦のススメ
まず、最初に試験日を予約してしまうのが私流です。「え、準備ができていないのに予約?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。過去の記事で解説した通り、試験日の変更はペナルティなしで簡単に行えるので、まずはゴールを設定してしまいましょう。明確なゴールがあることで、自分を良い意味で追い込み、学習計画の解像度が一気に上がります。


その上で、学習期間は4〜5週間と設定します。 数ヶ月単位の長期計画は、途中で集中力が途切れたり、最初に覚えたことを忘れたりするリスクがあります。4〜5週間で集中してインプットし、記憶が新鮮なうちに受験するのが、最も再現性が高いと感じています。
私の基本スケジュール:平日は休んで、週末に集中
平日の夜は、脳を切り替えて個人事業主の作業や、ジョギングなどのリフレッシュに充てます。中途半端に勉強するよりも、しっかり休むことが週末の集中力に繋がります。 そして、確保した週末に、後述するポモドーロ・テクニックを使い、1日かけて集中して問題集に取り組みます。
【実践編】問題集を200%活用する具体的な手順

1周目 – 「理解」重視でじっくり解き、弱点を洗い出す
たとえ全く勉強していない状態でも、まずは問題集を解き始めます。
- 1問1答で進める
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50問まとめて解答する形式だと、なぜその答えを選んだか忘れてしまうことがあります。1問解いては、すぐに答えと解説を確認するスタイルがおすすめです。
- 間違えた問題こそ宝
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間違えたり、自信がなかったりした問題は、その場で公式ドキュメントを検索し、周辺知識も含めて深く理解します。
2周目 – 「スピード」重視で記憶の定着を確認する
1周目で得た知識が定着しているかを確認するため、今度はスピードを意識して解き進めます。 ここで再び間違える問題があれば、それがあなたの「本当の弱点」です。その問題と解説は、スクリーンショットを撮るなどして、試験直前に見直せるようにしておきましょう。
合格の判断基準 – 正答率7〜8割でGoサイン
いつ受験すべきか?
基本的には2周目を終えた段階で、問題集の正答率が7〜8割に達していれば、それは合格ラインに近づいている良い兆候です。自信を持って試験に臨みましょう。(もちろん、1周目で既にこの正答率に達していれば、2周目は省略することもありました)
もし正答率が5〜6割に留まる場合は、焦る必要はありません。あなたの「本当の弱点」が明確になった証拠です。無理せず試験日を延期し、苦手分野の復習にもう1〜2週間充てるのが賢明です。
私が使った教材と「良い問題集」の選び方
私は主にUdemyの問題集を利用しました。ただし、中には解説が不十分なものもあるので、選ぶ際には注意が必要です。
私が問題集を選ぶ基準は、ただ一つ「解説が丁寧かどうか」です。なぜなら、問題はあくまで知識を習得するための「きっかけ」だからです。
自作問題集について
この経験を基に、現在私は「なぜこの選択肢が正解/不正解なのか」を徹底的に解説した、1問1答形式のオリジナル問題集を鋭意作成中です。完成次第、noteなどでご案内しますので、ご興味がある方はぜひチェックしてみてください。
集中力とモチベーションを維持する私の愛用ツールと習慣


集中ツール:物理タイマー「TickTime Pro」
私は、ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分休憩)を実践するために、物理的なタイマー「TickTime Pro」を愛用しています。
なぜ物理タイマーなのか?
スマホのアプリだと、タイマーをセットするつもりが、つい他の通知が気になってしまいます。物理的にデバイスを回転させるだけでスタート/ストップできる手軽さが、思考を中断させません。
メンタル管理:モチベーションの源泉と休息の技術
- モチベーションの源泉
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会社の報奨金や、同僚に対する技術的な優位性ももちろんですが、半分を超えたあたりから「全資格を制覇したら、どんな景色が見えるだろう」という純粋な探求心が最大のモチベーションになりました。
- やる気が出ない時の対処法
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どうしてもやる気が出ない時は、無理しません。試験日を延期して、意図的に休息期間を設けます。 焦って中途半端に取り組むより、一度リフレッシュする方が結果的に近道です。
試験直前&当日の過ごし方

- 前日
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前日は新しいことを覚えるのではなく、これまで間違えた問題の解説を軽く見直す程度に留めます。一番大切なのは、しっかりと睡眠をとり、頭を休ませることです。
- 当日
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当日は基本的にオンラインで受験するため、特に勉強はせず普段通りに過ごし、リラックスして本番に臨むようにしています。
よくある質問(FAQ)
- 公式のハンズオン(Skills Boost)は全くやらないのですか?
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最初の頃はやっていましたが、試験合格という目標に対しては、問題集中心の方が効率的だと判断しました。ただし、実務でサービスを深く理解するには、ハンズオンが最も有効な手段であることは間違いありません。
- 50問模試と1問1答、どう使い分けていますか?
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基本は1問1答で知識を確実に定着させます。50問模試は、試験1週間前などに、本番の時間配分を体感するために一度だけやる、といった使い方をしています。
- 英語の問題集しかない場合はどうしますか?
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ブラウザの翻訳機能を活用しながら解き進めます。技術英語はパターンがあるので、慣れれば意外とスムーズに読めるようになりますよ。この経験が、英語の公式ドキュメントを読む力にも繋がります。
まとめ:あなたに合った勉強法を見つけよう

今回は、私という一人のエンジニアが、試行錯誤の末に見つけ出した、資格試験の勉強法についてお話ししました。
要点振り返り
- この勉強法の核心は「問題集を起点に、知らないことを効率的に潰していく」こと。
- 「4週間・週末集中」の短期決戦で、記憶が新鮮なうちに受験する。
- ツールや休息をうまく活用し、集中力とモチベーションをマネジメントする。
- 正答率7〜8割を合格の目安とする。
最も重要なのは、この考え方を参考に、あなた自身の生活スタイルや目標に合った「あなただけの勉強法」を見つけ出すことです。この記事が、そのためのヒントになれば幸いです。